【初老】
家庭での居場所がなく、
職場ではうだつも上がらず、
ただひたすら臆病な日々。
【若者】
端整なルックスを持ちながら、
青春に溶け込むことはせずに、
愛する人だけに尽くす日々。
【初老vs若者】
絶望は、
『救済(初老)』『破壊(若者)』
に分離する。
【結合】
『若者の青春』と
『初老の哀愁』を
『分離して表現』
している作品は少ないと思います。
『若者の青春』と
『老人の哀愁』は
別々に描こうとしても、
必ず混ざり合うからです。
セント・オブ・ウーマン
からも分かるように、
『若者と老人の交流』
は相性が良いのです。
【分離】
そんな相性抜群の組合を
あえて分離させることで、
若者と老人が各々抱えている
悩みや孤独を本作は鮮明
に描き出しています。
『老人には親切にしましょう』
『若者の未来を尊重しましょう』
でも実際には、
『年下の上司からダメ出し』
『若者の未来は大人が搾取』
それが世の中の現実です。
社会は世知辛いからこそ、
己の尊厳は己で守らねば
ならないのだと感じます。
思いやりの時代は過去の話。
現代は尊厳のぶつかり合い
へと突入したのでしょう。