調布市在住で新宿勤務の僕には妙な共通項の多い作品でした。僕の勤務地は破壊されませんでしたが。笑
日本のアクション映画も結構派手になってきたなと素直に感心します。体が変形していくギミック感や、重力を無視して都心上空を飛び回る映像は、かなり迫力がありました。
この先は、直接的ネタバレは避けますが、いくらか核心に触れております。
原作ファン及び作者さんのファンには申し訳ないのですが、僕はGANTZ含めてこの作者さんの描く人物(特にモブ)が苦手でして、不自然なほどにクズに溢れすぎているように思います。現実はそこまで胸糞悪い無法で混雑しておらんですよ(^_^;)
その点は実写映画ゆえ、いくらか緩和されていますが、嫌気のさす登場人物は多かったですね。カツアゲやネット弁慶など現代的な闇の部分が多く描かれており、ヘイトも貯まります。
現実世界では「BANG!!」なんて当然できないのを、獅子神に代わりにやってもらおう、という意志さえ感じる。獅子神を快楽殺人者として描かないための演出かもしれませんが。
それが良いか悪いかという話はさておき、犬屋敷 vs 獅子神の絵はあまり多くなく、思ったよりも虐殺・復讐シーンが多く構成されています。
シリアルキラーに至るまでの獅子神の境遇は苦しく、泥沼に転落していく様子は胸が痛くなります。元を辿れば、本人の無意味な気まぐれが原因なので、それもまた皮肉な話で。
対して、人を救う道を選ぶ犬屋敷もまた「報われた」とは言い難く、これに関しては物足りなさが残ったのが正直なところ。職場でも、家族にも虐げられる境遇の前半があるからこそ、反動として報われる結末を望んでしまいました。救世主としての自身のニュースが流れても、娘に一瞥もくれない父・犬屋敷は、誰にも認められずとも人を救う道を選んだ覚悟なのでしょう。本当にそれでいいの？と言いたくなるものです。
うだつの上がらないサラリーマンの逆転劇を期待して観てしまっていたのでしょうね。
面白かった反面、溜飲の下がりきらないモヤモヤも残りました。
こまけーこと考えずにドンパチを楽しめ！という話かもしれないですけど、思ったよりドラマパートも多かったものですからね。笑
