mrかっちゃん

クルエラのmrかっちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

クルエラ(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

Disney版「ジョーカー」と称されている今作はDisneyらしからぬ雰囲気とテーマを身に纏ったスタイリッシュなヴィラン誕生譚。

「101匹ワンちゃん」に登場する悪役ですが、原作は一切観たことがない僕でも純粋なエンタメとして楽しむことが出来た。
ヴィラン「クルエラ」となる話なのですがピカレスクロマンと上品なドレスを基調とした上流階級向けのファッションと現代的な感度の高いファッションのバトルがミックスされストーリー的にも工夫されていた。

「ジョーカー」と「クルエラ」が決定的に違うのは”親殺し”という点
「ジョーカー」のアーサーは自分の出生の秘密を知り母親が精神を病み自分を育児放棄して虐待していた事、それにより障害を負ったことを知る。
そして自分の母親を殺す事でアーサーを自ら殺しジョーカーへと変貌する。

一方で「クルエラ」は冒頭で自分の母親を殺されたところから物語が始まり、ファッション界の女王バロネスへの下剋上が最初の物語の動機付けになっていたが、バロネスが自分の生みの親であり殺された母親は育ての親だった事と、犯人はバロネスだった事を知り復讐を誓う事で「クルエラ」へと変貌する。
クルエラは親殺しをするのではなく元の人格エステラを殺させる事で社会的に殺すという捻りがある。

主人公に殺しをさせるのはDisney的に出来ないという問題もあると思うが、ストーリーへの興味を持たせる点でもいい工夫です。
なりより、”エマストーン”力だけでも観る価値のあるエンタメ作品です。