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クルエラのdenizのレビュー・感想・評価

クルエラ(2021年製作の映画)
3.9
"彼女はデザイナーか、破壊者か"

デザインという言葉の語源は“計画を記号に表す”という意味のラテン語から来ているらしい。
つまり、問題を解決するために思考・概念を組み立て、それを表現することと解釈できる(by Wikipedia)と。
ディズニーによるクルエラの"リデザイン"はお見事だった!
オープニングからしてモノクロのシンデレラ城にブラッドレッドのDisneyロゴ。
まさに白黒の世界に突然現れた鮮烈な赤。
"普通なんて最大の屈辱"と豪語する主人公に相応しい始まりだ。
今作のクルエラはアニメ通り、後の101匹わんちゃん達の飼い主、アニータとは同級生の設定。…そう思うとクルエラって凄く不健康そうな顔色だったけど、意外と若いキャラだったんだな…と再認識。
12歳のクルエラ役の子役さんが突き抜けた可愛いらしさだった。
ヴィランを踏み躙るヴィランを演じたエマ・トンプソンが圧巻。どことなく、グレン・クローズが演じたクルエラを彷彿させる。
もはや美の暴力のような挑戦的な衣装の数々が目に楽しく、ご機嫌な1970年代UKロックを多数取り揃えた音楽が絵と見事にハマって最高にカッコいい。
やはり本来は映画館でこそ最高に映える映画なのだろう。
アニメの「♪町のクルエラ」が聴けたのも嬉しかった。
ボヤッキーポジションだと思っていたジャスパーが、大型車両の運転から犬の世話、ギターソロまでこなす有能っぷり。彼…末永く大切にしてあげてほしいな…笑
女性版ジョーカーの呼び声通り、エステラが自分を受け入れ、闇に咲く赤い華として花開いていく過程が凶々しくも清々しい。
とは言え、望む悪役を演じるの、と言い放ち最後の一線は踏み止まっていたように思える愛犬家の彼女が、毛皮の為に仔犬を狙う悪女へと変貌するにはもうひと段階経ることになるのか。
ひどまず今作に関しては単一映画として楽しむのが最適解かも。
兎にも角にも、"クルエラ"という生まれて60年も経つヴィランのポテンシャルを最大限に引き出し、若き時代の先駆者かつディズニーのファッションアイコンとしてデザインし直した企画陣とクレイグ・ギレスピー監督に、スタオベ拍手!
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