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クルエラのFMLのレビュー・感想・評価

クルエラ(2021年製作の映画)
5.0
そうだ、これディズニーだった

パンクで荒れ果てた世界観の中にも
なにか愉快でファンタジーな要素が組み込まれる
俳優陣の演技がどーのこーのはもはや言うまでもない

自分の中に潜むもう1人の自分
それは普段押し殺してじっと堪えて日々生きてる人がほとんどだろう
自分もそうだしみんなもそう
たとえば仕事中は大人しいのに飲み会とかになるとやたらはしゃぎまくってるやつもそれに当てはまるし
痛ましいことではあるが通り魔や無差別殺人をやるような人間もそうだと言えるはず

でも、"常に自分を解き放った状態"でいれる人はどれくらいいるだろうか
言いたいことを言ってやりたいことをやって
やりたくないことはやらないし
混乱を愛し逆境を楽しむような精神
それがまさにクルエラであり
そんな姿を誰もが羨み憧れを抱くということは
誰もがなりたいと願ってるということ
それは男も女も関係ない
そんな"生き方"それ自体に魅かれてしまう

しかし切ない現実にも向き合わないといけない
大前提として持って生まれた美貌
子供の頃から彼女は特別でまさに天才だった
世の中にはどうあがいても幸せになれないし
前を向けない上に登っていけないひとも
確実に存在する
そういう意味でクルエラはやはり幸せだし
そんな映画を楽しんで観れる自分もやはり幸せで、、なんて変な考えにまで及んでしまう。笑

そしてクルエラの要素として
圧倒的ファッションセンス, カリスマ性に加えて泥棒の才能もあるところだよね
泥棒の才能ってめちゃくちゃすごいよな、と色んな映画を見てて思う
まず頭が良くないとできないし俊敏さ、仲間との連携ともちろん周到な計画
一方で超大物デザイナーのマネージャー、一方ではくたびれた男2人と犬との地味な生活っていう、
華やかさと泥臭さをあわせ持った感じがやはりたまらない
こういうギャップがあると俄然画が映える

ストーリーは爽快そのもの
派手な登場も演出もデザインも何もかも見事
映画館で観れなかったことが本当に悔やまれる
ぜひIMAXの大画面で観たかった(IMAXやってたのかは知らないけど)

知られざる過去、本当の自分、未来をどう塗り替えるのか、生きていく意味
色んな想いを感じながらパーティーは開かれる

悲しくとも打ちのめされても呆れられても
階段を登り続ける
あのクルエラ・ド・ヴィルはそんな人生の集大成だととらえると
また少し変わった見方ができるんじゃないか
本人も言ってたよ。
「まだ若いから」って

変わろうと思えば今すぐにでも変われる
でもめんどくさいししんどいよね
...うん、スマホいじってお菓子食べて平凡な給料で暮らしてる自分でいいや笑

R.I.P. エステラ
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