長尺だったけどあっという間だった。やっぱり赤いドレスで登場する最初の覚醒シーンがカッコよかったな。あと金庫から羽虫が出てくるところも良かったし、クルエラに乾杯させるところもお見事だったよね。
ファッション界で上り詰める一種の夢追い物語として、ブラックな復讐劇として、ルパンやグランドイリュージョンのような騙し合いの痛快さが光る怪盗ものとしても楽しめた。
洗練された衣装はもちろん、70年代のパンクロックの波を反映した作りが奥行きを出していて良かった。ファッションと音楽は繋がっているのだと見せつけられた。エマストーンもさすがの怪演だった。
最近はこういうヴィランものの映画が多いけど、うまいこと主人公に感情移入できるハッピーエンドに仕立てているからすごい。悪役ならではのカッコよさはそのままに、敵を殺したり、犬を殺して服にしたりもしないキャラに調整するこの絶妙な塩梅。
サブキャラもあの声のいいデブの人とかすごく好きだった。もうちょい労ってあげて欲しい。原作が見たくなった。