140字プロレス鶴見辰吾ジラ

マッドマックス 怒りのデス・ロード ブラック&クロームエディションの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

5.0
”絶望が世界の色を覆い塗りつぶしても、希望や狂気やもっと純粋な生への概念は隠すことはできない”

色を失ったことにより剥き出しになった、”狂気”の中への”生”
言語化しがたい情報量と物量と熱量が剥き出しになったからこそ
さらに深く見えてくる”狂””嬉””怒””哀”

「魂」が剥き出しになっている・・・

オリジナル版の「MAD MAX 怒りのデスロード」が公開当初、Filmarksを始めたばかりで、この感情のうねりを言葉にしきれなかったことを後悔してやまなかった。

冒頭に映し出される孤独なマックスの後ろ姿。躊躇なくトカゲを食す、世界の終わりのその先に見出した”生”のシーンから、逃走と脱出と受難と激突と死闘と遭遇と共闘と犠牲と嘆きと決意と苦難と渇望とが、常軌を逸した車の大群と想像の追い付かないアクションとギミック、おびただしいまでの情報量がフルスロットルで迫ってくる。情報整理の追い付かなが、ひとつひとつが洗練され、切り詰められているがゆえの脳に直接ガソリンのプラグを突っ込まれ、最大出力で注ぎ込まれるようなエネルギッシュな快感を摂取できる、「映画という名のアドレナリン」「アドレナリンという名の映画」なのである。

”宗教”であり、”神話”であり、”思想書”である。

何度でもこの世界を浴びたくなる衝動に駆られてしまうのであろう。


ここまで私は”社畜のデスロード”
連勤につぐ連勤の砂嵐
過労とストレスにより、体は軋み、大腸は暴れ、吐き気は乱れる。
会議の連続と、朝5時起きと、サービス残業と・・・
満身創痍ながらたどり着いた”英雄の館”(横浜ブルク13)

冒頭のエンジン音、マックスの後ろ姿、繰り返される砂漠の中の大活劇。

魂の息吹を全身に浴びて、明日への活力が湧き上がった。
水のようにガソリンのように宗教のように・・・
これぞ、”I live, I die, I live again!!”
”生きて、死んで、また生き返る!!”

明日を生きる希望が、絶望と拮抗することを願い、
そして今作が生の糧になる大傑作であり続けることを・・・



自身を社畜と称したのを訂正しよう、今作を見て昂った私はひとりのウォー・ボーイだ。
デスロードで散ろうが、魂が肉体を凌駕して仕事を続けるぞ!