蛸

マッドマックス 怒りのデス・ロード ブラック&クロームエディションの蛸のレビュー・感想・評価

4.9
ジョージ・ミラーが言うように、白黒版では映画全体の抽象度が増している。
色を失ったことでこの映画は特定の時代や地域から自由になり、「神話」としてより強固なものになったと言えるだろう(とてつもない未来の出来事であると同時に、遠い過去の出来事のようにも見える)。
とは言え良いことばかりと言うわけではなく、いくつかのシーンでは画面のディティールが視認しずらかったりもする(些細な問題だが…)。

緻密に設計された世界観やドラマが1つのシンプルな運動に収束していく、映画として理想的な形式。21世紀の映画が参照すべき、新しいスタンダードと言っても過言ではない大傑作。
蛸