Kota

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダルのKotaのレビュー・感想・評価

3.7
“周りがどうとか知らないんだよ、才能に感謝しな。”

1991年全米選手権でアメリカ女性史上初のトリプルアクセルを成功させ、オリンピックに出場を果たしたトーニャ・ハーディングがライバルのナンシー・ケリガンの膝を砕いた事件を通じスケート界から姿を消すまでの実話。25年の歳月を経て関係者からのインタビューを元に事件の全貌が明らかになる。

この事件自体は全然知らないのだけど、アカデミー主演女優賞ノミニーのマーゴットロビーと、助演女優賞に輝いたアリソンジャネイを見たさに鑑賞。当時のスキャンダルを知っている人ならもっと面白いと思う。トーニャ自身は本当に才能があったと思うけど、何より周りがクソ人間ばかり。トーニャの最後の「これが真実よ」って言葉が痛々しくも皮肉で、結局この映画も事実を変えているところもあるし、世論の脆弱性を凄く感じる。回想シーンのキャラが視聴者に語り出すシーンは型破りでかなり好きだったし、トリプルアクセルを飛んだスローモーションのシーンは少し泣けた。

アリソンジャネイは本当にカメレオン女優。“アメリカンビューティー”の時はうつ病の奥さん、“ガールオンザトレイン”の時は気丈な女刑事、そして今回は血も涙もないスパルタママ、相変わらず素晴らしかった。個人的にはマーゴットロビーにも賞を与えたいけど、今年は主演女優の層が厚い。兎にも角にも、パワフルなストーリーをパワフルな女性達の演技とパワフルな音楽で楽しめて満足。
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