若大将オーウェン

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダルの若大将オーウェンのレビュー・感想・評価

4.0
ダークサイド真央ちゃん。トーニャハーディングのことは全然知らなかったので、当時を知る人やフィギュアファンから見たらまた別の感想を持つのかもしれないけど、色んなことを奪われ、殴られ、転び続けてそれでも残ったもの…「I,Tonya」というラストに至るまでの構成が見事。
描かれることは悲惨だけど、清々しくて元気が出る映画だった。
英語でも羅生門スタイルというらしいが、証言者によって言うことが違うので、何が真相かは分からない。
だからこそトーニャのフィギュアへの情熱や純粋さは本当のこととして心に残った。
台詞でこの事件はバカしか出てこないと言われるが、本当に嘘だろ?っていうキャラばかりで笑えたし、面白かった笑。
アリソンジャネイは「ザホワイトハウス(the west wing)」のCJでも見事な不機嫌おばさん演技をしていたが、本当に娘のことを愛してもいるんだが…という絶妙なバランスがすごかった。
マーゴットロビーは自身のセルフイメージも演じつつ、見事な演技力を見せた。トーニャが魅力的に見えるのは彼女が演じているからこそだろう。
あとはボクシング映画のようなカメラワーク(というかレイジングブル?話的にも似てる)「演技後の表情が見たい」などフィギュアスケートそのものも、ちゃんと描いていたのが良かった。
よく言われますが、フィギュアはショーなのかスポーツなのか微妙なところがあって個人的に引っかかるところや疑問点もきちんと描いていて面白かったです
(羽生くんに罪はないけど演技終了後に大量のプーさんが投げ込まれるってなんか変じゃない?というような感じの疑問をもったことのある人は面白いと思う笑)
あとはレーガンのポスターも映るけど、古き良きアメリカ家族の価値のダークサイドも描いていて、映画を通してアメリカを描いてるパターンのやつでもあり素晴らしい。
ウルフオブウォール・ストリートのフィギュアスケート版だ〜