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アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダルのandhyphenのレビュー・感想・評価

3.6
主演のマーゴット・ロビーはこの騒動を知らなかったそうだ。そりゃそうか。それぐらい前の出来事か。当時は大騒ぎだったんだが。感想を見ても「知らなかった」ってのが結構あって年を感じた...。
閑話休題。
お騒がせフィギュアスケート選手、トーニャ・ハーディングの半生記だが、さながら羅生門的な様相を見せる。元夫とトーニャの発言のずれ。そしてメタな演出。
登場人物はみんな考えなしだ。まあ有り体にいえばアホだ。事件の起こり方は実に杜撰だ。あの部分は悲劇であるのに完全にコメディだった。ボディーガード、過剰演出かと思ったらエンドロールで本当に変な発言しててぞわっとなる。
トーニャはあの母に育てられればそりゃああなるわな...という気もする。アリソン・ジャネイのお母さんは恐ろしすぎる。
マーゴット・ロビーは大変よろしかったです。トーニャ・ハーディングっぽかった。あの靴ひもが切れるシーンが実際に見たシーンと重なった。憑依だ。
しかし、本作は基本的にトーニャ・ハーディングが語るので(他の人物も語りはするが)、これが真実なのかは最早曖昧だ。なによりナンシー・ケリガンの扱いが超薄い。多分協力してもらえなかったんだろうなと思ってしまった。
トーニャは悲劇の人であるが、何が真実なのかは映画を観てもまったくもって藪の中である。彼女が戦っているものはなんだったんだろう。幻だったのかも。愛されたかっただけなのかも。
余談ですがFuckってセリフがすっごく多いです。
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