まほ

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダルのまほのレビュー・感想・評価

4.5
ずっと待っていた、映画。
飛行機の機内でやっと鑑賞。

トーニャ・ハーディング。
アメリカで初めてトリプルアクセルを
成功させた元フィギュア・スケート選手。

彼女の物語はザ!世界仰天ニュースで
見たことがあったけど
この映画はまたあのバラエティ番組とは
一味違って傑作中の傑作。

狂気じみてるけど
凄くスカッとするこの感覚。
時代にあった音楽のセンスや
第四の壁を破って話してくるところ、
そして物語の展開の早さ。

出だしからSpirit In The Skyがかかって
絶妙なタイミングでのThe Chain……
私の好みでしかない。

こんな描き方好きでしかない。

第四の壁を破ってくる実話ベースの映画だと
「マネー・ショート」が一番好きだったけど
華麗にこの映画に超えてかれた。

彼女が何故こんな結末になってしまったのか。
母親の異常極まりない育て方、
元旦那の激しいDVと彼女への執着心。

多少事実とは異なる部分もあるだろうけど
何せ描き方が本当に良すぎる。
ナンシー・ケリガン事件に関わった
当事者たち(出演者たち)が
見てる私たちに話しかけてくる。

そして、出てくる奴らが全員バカ。
バカすぎて本当にどいつもこいつも
クズ野郎だけど全然嫌じゃない。

トーニャにはスケートしかない、
トーニャの母親にはトーニャしかない、
そして元旦那ジェフにもトーニャしかない。

そんなそれぞれの愛するモノに
対する扱い方は本当バカだし、クソだけど
それしか彼らには無いんだもんな。

助演女優賞を受賞した
アリソン・ジャーニーの演技もさながら
主演女優賞にノミネートされてた
マーゴット・ロビーの演技も凄い。
「ウルフ・オブ・ウォールストリート」の頃なんて
凄く美人な女優さんだとしか思ってなかったけど
完全にこの映画で彼女への印象が覆された。
実際にこの映画の製作にも
携わってるところも本気すぎる。

そして、私が一番この映画の中で
もっと評価されても良いのにと思ったのは
セバスチャン・スタン。
あの子あんな演技するの?ヤバくない?
は?何あれ?新境地じゃん?って感じで。
言葉無くました、恐ろしい、本当怖い。
私が初めて見たセバスタは
「ゴシップガール」のカーター君だけど
あの頃もクズな役だったけど
王子のように可愛くて
それに魅了されたけど
こんな演技力を持ってるなんて知らなんだ。
マジで、セバスタ………あなた凄いよ……
本当に彼の大きな詐欺にあったような気分で
途中からセバスタ本人なのか怪しくなるほど。
普通にアカデミー助演男優賞に
ノミネートされてもおかしくないレベル。
むしろ何でされなかったのかが不思議。
1週間前に見たIWのバッキー・バーンズとか
もはや幻に思えてくるくらい凄まじい。

これからの彼の演技への注目度が一気に増した。
まほ

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