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アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダルのmatsuitterのレビュー・感想・評価

3.1
アリソン・ジャニーがアカデミー助演女優賞受賞。マーゴット・ロビーがアカデミー主演女優賞ノミネート。

ケリガン襲撃の加害者でありアメリカの報道の被害者であるスケーターの半生の映画なのに、音楽やら表情カットやらかなり煽り演出のロックンロールムービー。演技もド派手で、真面目に生きてきた人の人生をブラックコメディ風に茶化してやりたい放題というメチャクチャな内容。(客観的に観たら事実にも変なところが多すぎるのでなんとも言えない。。)

この映画はキャラ萌え映画で、とにかく人の魅力が非常に際立って見える。わがままで目立ちたがり屋という良くも悪くもアメリカ人っていう彼女のイメージそのままに、マーゴットロビーのドヤ感が最高に光る一本。私は元々このトーニャ・ハーディングが好きなせいもありさらにファン度が増しになった。

ジャニーの鬼ママっぷりも潔くかっこいいので、スリービルボードのマクドーマンドと合わせてこの年のアカデミー女優賞は主演も助演も力強い女で固められたことがわかる。

そしてもうひとり、伏兵だったのがデブのニセエージェントキャラを演じたポール・ウォルター・ハウザー。彼のバカキャラがまたたまらん。虚言や穴だらけの計画などこの映画ちょっとやりすぎだろうと思わせるバカっぷりで充分楽しませたあと、実際にイカれた男なのがインタビュー映像で分かるというオチも秀逸。

好きなシーンをいくつか。

まずは前半のトリプルアクセルをキメるあの瞬間。まさに人生最高の瞬間だ!

後半の事件のハウザーら仲間の暴走のくだり、ここはドキドキしつつも呆れて笑えてくる絶妙な編集が面白い。

そして最後の靴紐クレームシーンをノーカットで完全再現。あんな問題起こした直後だし言い訳がましいクレーム出したらカッコ悪さ全開なのわかってるはずなのに、本人そこを言わずにはいられない人なんだよね。

ド派手でまさにアメリカ人て感じな彼女の役をマーゴットロビーはホントうまくやってくれたと思います。

余談。

ブラック・コメディのやりすぎ演出からちょっとコーエン兄弟みたいな雰囲気も感じました。
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