ふぇり

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダルのふぇりのレビュー・感想・評価

4.3
終始「で、これを映画館で見てるあんたはどんな気分?」って登場人物に言われてる感じ。(実際話しかけてきてるし)

トーニャの綺麗に整えられたフレンチネイルに、抑圧された心とそれでも人に愛されたい必死さが詰まっていて泣いた。…「別人になれってこと?」
後半の話の転がり具合はコーエン監督作みたいだったけど(雇った二人組が見るからにダメなとことか完全に『ファーゴ』)こっちは実話で生身の人間がいると思うとひとつひとつ胸に突き刺さって笑えない。
それでも「トーニャってかわいそうでしょ?」でも「トーニャって馬鹿でしょ?」でも終わらない「面白がってるあんた達のせいでもある」って中指立てて叫んでしぶとく生きていく、強い映画。
『スリー・ビルボード』もだけど、馬鹿で滑稽だけど必死に生きている人間、そういうのに弱いのです。

マーゴット・ロビー本当にすごかったし、アリソン・ジャネイの毒親も強烈だったし、セバスチャン・スタンのDV夫も怖かったけど、ショーンが恐ろしすぎた…彼のパートだけNetflixのドキュメンタリー見てる感じだった
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