燃える。スケートを後ろから追うカメラのスムースさと、マーティンマクドナーばりの解決させないストーリーテリングの巧みさが絡まって、憎しみと理不尽と狂人の中で生き延びるためのエネルギーを最終的に示す。生きるってこれだろ。トリプルアクセルの成功とボクシングでのノックダウンを重ねたあと、スジバンのPassengerカバーのギターリフが鳴り響くラストシーンに燃え滾るものを感じた。
『アイ、トーニャ』とズビャギンチェフ『ラブレス』は、背中を映すカメラ、母子の問題、若き恋愛のこじれ、主要人物全員の弱さとエゴイズム、疑惑の終わりなさとあらゆる点が共通している。米露の鏡像関係?