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アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダルのmakoのレビュー・感想・評価

4.8
《2018#132》

昨日『LONG, LONG VACATION』の後に、鑑賞。 

「ナンシー•ケリガン襲撃事件」の事は当時ニュースを観ていて知ってましたが詳しくは知らず、襲撃した犯人も勘違いしててトーニャがやってたのかなと思ってました。 
今作ではトーニャの生い立ち、トーニャに大きな影響を与えた母親、夫の馴れ初めや夫との関係、疑惑の事件やオリンピック競技中に審査員に涙で訴えた靴紐事件までを追求している。 

冒頭それぞれ登場人物がインタビューされているシーンから入り、トーニャの生い立ちから描かれていました。 
子供の頃から冷酷な母から厳しく育てられ観ていて可哀想になるくらいでした。 
後に夫になるジェフも最初は優しくて良かったが段々と関係が悪化。DV夫になっていく。 
そして1番腹が立ったがジェフの友人のショーン。こいつのバカさと妄想癖にはイライラさせられた。 

とにかくトーニャの周りにはクズでバカな人ばかり。
よくこの人のお陰で人生が良くなりましたっていうのがあるけど、トーニャの場合は真逆。 
母親からして最悪で、この母親はトーニャの事を愛しているだろうかと思いながら観てました。ニコリともせずトーニャを否定ばかりしている。終盤、やっぱりトーニャの事を気がけていたのかと思ったら…。 
ジェフは典型的なDV夫になってたし、ジェフの友人のショーンとその仲間2人のずさんな襲撃事件に呆気に取られました。 

襲撃事件によって人生の頂点から一気に世界のヒール役に転じたトーニャの半生。これが実話だなんて。 
アメリカ人女性初のトリプルアクセルを成功させながらここまで転落してしまう人生。 
フィギアの為に生きてきたのに、下された判決を聞いたトーニャの姿に切なくなりました。 

実話だけど暗さはあまりなく、時にユーモラスにも見えた脚本や演出が見事でした。インタビューが劇中に差し込まれながら進んでいく手法で私はこれまでこんな映画を観たことがなかったので新鮮に感じました。
俳優陣がそれぞれハマってて見応えがありました。 

エンドロールも席を立たずに観てください。 
お勧めの1本です。 
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