ワイカ

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダルのワイカのレビュー・感想・評価

3.9
かの有名なナンシー・ケリガン襲撃事件(と言っても今の若い人はあまり知らないと思いますが)のトーニャ・ハーディングを描いた作品。当時ヒールとして日本でもワイドショーを賑わせてたハーディングですが、こんな家庭環境や背景があったとは知らず、とても興味深く観ることができました。

とにかくハーディングの周りの人達のクズっぷりがすごい。お母さん(アリソン・ジャネイが怪演!)とか、実は愛情があるのかもしれないけどマジであり得ない。事件を引き起こしたとされる夫(ウィンターソルジャーがまさか!笑)も最悪だし、その友達とか完全にイカれてます。

この作品がどこまで真相に迫っているのかは分かりませんが、ハーディングがちょっと気の毒に思えてきました。いまトランプを支持してるアメリカの白人の貧困層って、きっとこんな感じなんでしょうね。

マーゴット・ロビーの演技も良かったです。スケートはホントに滑ってたんでしょうか?だとしたらすごいです。

各関係者のインタビューを再現したような作りや、ブラックジョークを散りばめた作風も、客観的な雰囲気を醸し出してて好感が持てました。スポーツの出来事を描いた作品としては、最近の「バトル・オブ・セクシーズ」より断然楽しめました。

最後にハーディング本人の全盛期の演技が出てきますが、キレッキレで素晴らしかったです。作中にもあるように、当時は審査のあり方が不公平だったところもあるんでしょうね(確かにフィギュアのBGMにZZトップはないだろとは思いましたが 苦笑)。その意味でも同情します。
ワイカ

ワイカ