ちろる

ホワイト・ヘルメット -シリアの民間防衛隊-のちろるのレビュー・感想・評価

3.8
ホワイトヘルメットそれはシリアの民間防衛隊
どちらであろうと、誰であろうと、助けを必要としてる人があれば、助ける。
その数2900人、すべて一般市民で未経験である。

絶望的な爆撃の瓦礫跡に、生きていた生後一週間の赤ん坊。
希望もなく死んでいくなかで、彼は確かに生きていて、ホワイトヘルメットの皆に希望を与えた。
こういった人命救助があること、ニュースでも知らされない。
Netflixのこのドキュメンタリーに出会わなければ知る由もなかった。
ウクライナへのロシアの侵攻が取り沙汰されてる中で私たちは昨年のアフガニスタンのニュースを忘れかけているし、シリアの実情はもうすっかり・・・
全ては繋がっていてどれにも終わりはないのに。

シリアの難民への食糧支援はどうなっているのか。
医療支援は行き届いているのか。
子供たちの保護は?
私たちが、新たな戦争に目を向けて忘れかけている今もまた、ホワイト・ヘルメットの隊員たちは魂も犠牲にして、より良い明日のために働く。
遠い国の縁遠い話なんて思ってはいけない。
恐ろしくもすぐ近くで戦争が起きている今、人ごとではないはずだ。
もしも自分の住む国が、町が、惨劇の中心となり、瓦礫だらけになったら・・・
逃げずに人命救助に動ける自分になれるだろうか?
家族が犠牲になったその次の日に、涙を拭って瓦礫の下にいる命を助けることができるだろうか?
問いかけてもわからない。
正直わからないけれど、このドキュメンタリーは全ての人にそれを問いかけ続ける。
誰もが当事者意識を持てるように・・・
それが大切なのだろう。

ドキュメンタリー映画としてかなり上質な作品、1人でも多くの人に観てもらいたい。
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