この前の、第89回アカデミー賞短編ドキュメンタリー映画賞を受賞したこの作品。
Netflix制作ということで配信されていたので観ました。
政府軍やロシア軍の事実上無差別の空爆によって一般市民まで犠牲になっているシリアで人名救助をするボランティア団体“ホワイトヘルメット”に密着したドキュメンタリー。
絶望の中から少しの希望をすくい取るような、そんな地道な印象が残った。
内戦の続くシリア、特に北部にある反体制派の拠点の都市である“アレッポ”などは地獄だとニュースなどで見聞きしてはいたものの、街の内側から見ると大変な状況だった。
ホワイトヘルメットの隊員達が食事をしている映像をカメラで撮っていると突如響く轟音、急いで建物の屋上まで駆け上がると空には戦闘機が飛んでいるのが小さく映り直後爆発音と共に街の少し前方から爆煙が上がる。
煙が上がった方角へ駆け付けると爆撃で倒壊した建物、そこから時には16時間もかけて瓦礫を取り除き死傷者を救出する。
それが日に何度も、毎日ずっと続く。
この作品の終盤には空爆が1日200回にまでなってました。
自分の国の空が怖くなりますよね。
そして爆弾が落ちてくる場所は自分達の真上かもしれないし家に残した家族の上にかもしれない、常にその心配をしながらの活動、この40分の作品の間に人間の愚かさと善意を考えさせられました。
そもそもこういう大量虐殺を止める頼みの綱であるはずの国連の常任理事国であるロシアが積極的に虐殺に加担しているという救いの無さ。
ホワイトヘルメットの人達に出来るのは1人でも被害者の救うことだけ。
一刻も早く自体が収束していくことを願います。
この作品に星で評価という気になれないのでスコア無しで、ドキュメンタリーと言っても劇映画的なものから報道的なものまで様々ありますが以後ドキュメンタリーは全て基本はスコア無しにしようと思います。