風の旅人

ピーターラビットの風の旅人のレビュー・感想・評価

ピーターラビット(2018年製作の映画)
3.7
ピーターラビットというキャラクターはもちろん知っているが、原作は読んだことがないので、この映画が原作にどこまで忠実かはわからない。
「教育的映画ではない」という冒頭の断りが示すように、ブラックで毒入りのコメディである。
うさぎが二足歩行をしているだけでも親近感が湧き、人間臭い台詞に思わず吹き出した。

叔父のジョー・マクレガー(サム・ニール)が亡くなり、ロンドンから湖水地方の田舎に引っ越してきたトーマス・マクレガー(ドーナル・グリーソン)。
ここに自分たちの居場所をめぐり、人間対うさぎの戦争が勃発する。
特徴的なのは、ピーターたちの言葉をわかるのが、ピーターたちを愛しているビア(ローズ・バーン)の方ではなく、彼らを嫌っているマクレガーの方だということ。
だからこの映画は愛や夢の物語にならず、シニカルでビターな風味を感じさせる。
卑小な人生を嘆くかのような鶏の「叫び」に共感し、それでもささやかな幸せを噛み締めて生きるんだというメッセージが伝わってきた。