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ピーターラビットのsomaddesignのレビュー・感想・評価

ピーターラビット(2018年製作の映画)
5.0
畜生の所業!(# `)3′)

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ビアトリクス・ポターによるイギリスの名作絵本「ピーターラビット」映画化。たくさんの仲間に囲まれ、画家のビアという優しい親友もいるウサギのピーター。ある日、ビアのお隣さんとして大都会のロンドンからマグレガーが引っ越してくる。マグレガーの登場により、ピーターの幸せな生活は一変。動物たちを追い払いたいマグレガーとピーターの争いは日に日にエスカレートしていき、ビアをめぐる恋心も絡んで事態は大騒動に発展していく。

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原作をちゃんと読んだこともないのにイメージと違うってのも何だけど、「ピーターラビット」って随分乱暴者のお話だったのね。

まさに鬼畜の所業と言ってもいいような、自分に都合の悪い相手を徹底的に憎み、排除しようとして短慮軽薄極まる主人公ピーター。見た目が純真無垢な可愛さなだけにギャップがすごい。見た目のモコモコした可愛さがなければ、トレマーズみたいな人外ホラーパニックになってたかも。


ミュージカル仕立てで現代の観客にも響くように、丁寧な作りかえが好印象。今更ながら超精巧なCGと実写部分の整合性が素晴らしく、毛並みや目の表情の表現とか「来るとこまで来たか」と思わされる。


トーマス・マクレガーことドーナル・グリーソンは郊外に越すと酷い目に合いがち。
大抵の場合、神経衰弱するか死ぬ。または神経衰弱の末に死ぬ。
今作も都会で神経をすり減らしたトーマスを心配した上司が、郊外での悠々自適な生活で心の健康を取り戻すのを期待したハズだったのに戻ってみれば……。
「美しい隣人を巡って恋敵のウサギと血みどろの対決になって、話し合いの結果みんなで仲良く暮らせるようになりました😃」とか言い出す始末。いよいよもって専門医に相談しなきゃと上司は思ったハズ。

「ゼペット爺さん、タバコじゃないのを吸ってた説」に近い、ある種悪夢のような、全部マクレガーの妄想を見せられた気分で見るのも愉快かも。
(ゼペット爺さん〜説:ある日、子供好きの人形職人のお爺さんが『星の妖精にお願いしたら、ワシの人形がホンモノの子供になったんじゃ!』とか言いだしたら、一旦パイプの中身を調べさせてもらう必要になる感じ)


自己中心的で短慮・暴挙を繰り返すならず者と、神経質が行き過ぎて自縄自縛になっちゃった者。対称的な二人が種族を越えた戦いの末、お互いを解放する物語でもあってちょっと感動的。
見ようによっては、マクレガーのクリーピーな妄言世界の映像化っぽくもあって、それはそれで現代病ホラーで良し。


(余談)
エンドロール後、謎に一般人のうさぎスライドショーを見せられる。お金を払って知らない人達の自撮り写真を延々見させられる貴重な体験ができた。新しい地獄として地獄名をつけたい勢い。


46本目