河豚川ポンズ

ピーターラビットの河豚川ポンズのレビュー・感想・評価

ピーターラビット(2018年製作の映画)
4.0
2018年のダークホースな映画。
公開してからというものネット上で「登場人物が全員クソ」とか「ストーリーのプロットは大体ヤクザもの」とか、散々(?)な言われようで気になってた。
個人的にはほんのりマイケル・ベイ風味が感じられた。

舞台はイギリス、湖水地方。
自然豊かな田舎にピーターラビット(ジェームズ・コーデン)と、フロプシー(マーゴット・
ロビー)、モプシー(エリザベス・デビッキ)、カトンテール(デイジー・リドリー)の3人の妹たち、そしていとこのベンジャミン(コリン・ムーディー)たちが暮らしていた。
隣の大きな家に住むジョー・マクレガー(サム・ニール)とは畑の作物の取り合いで不倶戴天の関係。
ある日ついにマクレガーに捕まったピーターだったが、間一髪のところでマクレガーが心臓発作を起こして亡くなる。
ここぞとばかりに畑の作物を食べ漁り満喫する動物たち。
しかしマクレガーが亡くなってその家を相続したのは、さらに神経質で気難しい性格をした遠縁のトーマス・マクレガー(ドーナル・グリーソン)だった。

本当に端的にストーリーをまとめるなら人間とうさぎの三角関係のもつれた話だった。
というかピーターラビットからこんな話が出てくるなんて思いもしなかった。
似たような雰囲気の「パディントン」観たときも思ってたよりも面白いとはなってたけど、これは何というかそういう路線をかなぐり捨てて戦ってる感じ。
序盤でいきなり故人の家で宴会開いたりと、とにかく出てくる登場人物が大体ろくでもないか頭のネジが外れてるかのどっちかしかいない。

映像の出来はシーンによっては不必要なまでに本気。
とあるダイナマイトを使うシーンでは監督曰く「プライベート・ライアン」に倣って作ったそうだけども、何がそこまであのシーンに迫力を求めさせているのかは理解できない。
というかピーターラビットはダイナマイトがそんなポピュラーなアイテムなのかどうかさえも少し怪しいが、とにかくギャグもストーリーもCGも良くできてる。

見終わって何も得ることが無いタイプの映画だけれども、2018年の映画を語るなかでは確実に外せない一本だったと思う。