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ピーターラビットのmのレビュー・感想・評価

ピーターラビット(2018年製作の映画)
4.7
幼い頃に母が読み聞かせてくれたあの絵本の世界はどう思い返してみてもこんな狂ったアッパーな感じではなかったはずだが、しかしこれはこれで滅茶苦茶面白いから困る。

英国式の毒のあるユーモアにアメリカンなアッパーなギャグセンスがぶち込まれた結果、終始やり過ぎギリギリのギャグが嫌悪感に陥らないスレスレのラインで爆発し続ける爽やかに狂った闇鍋コメディ映画が出来上がった。徹頭徹尾ギャグが滑らずにやり過ぎにも陥らない(いややり過ぎてるんだけど)バランス感覚が凄い。
ストーリーラインは意外にまともなようで根本的に狂っているが、最終的に暴力の連鎖の無意味さに辿り着きなんだかんだで良い話に落ち着くこちらも謎のバランス感覚の良さで恐るべし。
若いマクレガーさんもピーターも微妙にお互いが狂った事をしているのを自覚していて、たまに第四の壁を越えてくるのがまたヤバい。


そこまでやらなくてもという所まで体を張りまくるドーナル・グリーソンの渾身のコメディ演技が最高!この人はやはり巧い。
それから出色はデイジー・リドリー&マーゴット・ロビー&エリザベス・デビッキという豪華面子が演じるウサギ三姉妹!武闘派のスリルジャンキーで何かと言うと物騒な事をやろうとする三女デイジー、他の子達よりも15秒だけ早く産まれた事だけをアイデンティティにする長女デビッキ、次女は辛いよなマーゴット(ナレーションも担当)、各々キャラが立ちまくっていて滅法チャーミング。

マクレガー爺さんの無駄な完璧再現も笑ったがこれがまさかのサム・ニール。無駄遣いにも程があるよ!
幸薄くない楽しそうなローズ・バーンも見れてお得です。ポール・フェイグ監督作やこういう作品に出ている時のローズさんはほっこりしますね・・

それにしても傑作「小悪魔はなぜモテる?!」「ステイ・フレンズ」を手掛けてきたウィル・グラック監督、一体どこへ向かっているのか・・まあこれはこれで良いんだけど・・
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