エクストリームマン

ピーターラビットのエクストリームマンのレビュー・感想・評価

ピーターラビット(2018年製作の映画)
3.8
He's in a better place now.

ピーターラビットを、というか、この手の動物系童話を実写映画化するなら、スラップスティック&スプラッター&アクションにするしかない、という文法が確率されつつあるように思う。パディントン然り。予告編が不穏なプーさんも、サイコホラーみたいにしたらまだなんとかなるのでは。

親父喰われてるけど、まぁだいたいなんとかなる精神でマクレガーの菜園に突撃するピーターと仲間たち。Len の "Steal My Sunshine" の替え歌をバックに踊りながら野菜盗むところとか、声出して笑いそうになった。

声も無駄に?豪華で、ピーターの従姉妹3姉妹がデイジー・リドリー、エリザベス・デビッキ、マーゴット・ロビーというね。監督のウィル・グラックは『小悪魔はなぜモテる?!』の人なので、コメディ方向には信用できる人材。非常に誠実に実写映画化していた『ピートと秘密の友達』は傑作だったけど、ピーターラビットをあの方向で作ってうまくいく感じもしないので、やっぱりスプラッター&スラップスティック&アクション路線で正解だなと。

クソ野郎を演じさせたら天下一品(『フランク』『バリー・シール』『アバウト・タイム』)のドーナル・グリーソンが、ピーターのライバルキャラとして非常にうまく機能していた。うさぎの声が聞こえて、巣ごと爆破しようとするなかなかのサイコっぷりが良かった。ヒロインのビアも活発な女性として描かれていたけど、キャラクターの役割としては基本的に受け身。本作は、基本的にピーターとトーマスのサイコっぷりを楽しむ映画。

ビアトリクス・ポターの描くピータラビットの世界は好きなので、実写映画化と聞いたときは不安だったけど、ここまで突き抜けてくれるなら、これはこれでいいと思えたかな。