まお

ピーターラビットのまおのレビュー・感想・評価

ピーターラビット(2018年製作の映画)
3.3
みんなの想像する可愛らしいピーターはいません笑

とは言っても、本作のピーターはうるうるの大きな瞳を持ち、目を見れば誰もが心奪われ、ふさふさした毛からは思わず抱きしめたくなるような…むちゃくちゃかわいらしい天使のようですよ。よく出来たCGであり、実にリアルなうさぎがそこにはいました。
しかしながらこのうさぎ、まあとんでもなくイタズラ好き。そんなイタズラ好きなうさぎと都会から来た潔癖症で変わった青年がひとりの女性をめぐり大乱闘!

得に大きなテーマはなく強いて言うなら「素直になること」。素直にありがとうということ、素直にごめんなさいということ、子ども教育にはちょっといい映画かも?

ただただうさぎや動物たちの可愛さを求める人向けの映画ですかね。ストーリーとしてはラストが手に取るように分かる、想像通りのハッピー展開なので、重厚感を求める人には向きません。(そんなのきっと皆さん分かってますね笑)

ただ、少々疑問に思ったのが、マクレガーじいさん(本作序盤に登場するじいさん)が物凄く悪いやつとして描かれてる様な気がしますが、そんなに悪いんか?まあうさぎの視点からですし、コメディー要素もあり、ハッピーエンド万歳的な映画なのでそうかもしれませんが、なぜかそこに動物と人間との共存の難しさを感じました。(大袈裟でしょうか?笑)

思うに、ピーターたち一家はマクレガーじいさんがこの田舎町へ住み着く前からいたと思われます。そこへ勝手に後からやってきたのはマクレガーじいさんの方であって、その上じいさんの畑に入ってしまったピーターの父親をじいさんは殺してしまうものですから、ピーターたちがマクレガーじいさんに対し意地悪を働くのは無理ないかなーと。

でもこれを現社会に置き換え、畑に入ったのが可愛らしいうさぎではなく、獰猛なイノシシだとしたら、私はマクレガーじいさんと同じようにそのイノシシを殺すかもしれないし、本作で感じたように「後から入ってきたのは人間の方だからこのイノシシは可哀想だ!」と思うと言いきれない。昔から動物と人間の共存とは延々のテーマであり、よく映画においても描かれるところだが、本作においても少々頭によぎってしまった私は映画にテーマを求めすぎているのかもしれません。

何はともあれ、純粋に何も考えず楽しめる映画ですので、私が感じたことなど無視して観ていただきたく思います。笑
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