Yu

犬ヶ島のYuのレビュー・感想・評価

犬ヶ島(2018年製作の映画)
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近未来の日本を舞台にした、1人の少年と犬たちが迫害されたもの達を取り戻す物語。ウェスアンダーソン監督の独特な世界観は今作でも炸裂しています。


ストップモーションアニメで日本を舞台にした作品、といえば『KUBO』が記憶に新しいですが、
『KUBO』は物語に紐付いて日本文化を絡めていた作品であるのに対し、
『犬ヶ島』は監督が描きたい日本を詰め込んで違和感はアートでねじ伏せる、という印象の作品でした。
どちらが良いとかではなく好みだと思いますが、私はどちらも大好きです!

日本が舞台との事で、いつものネオンネオンした見たことない日本を拝む羽目になるのかと思いきや、そんな心配は杞憂に終わりました。

和太鼓が鳴り響くBGMや日本文化が最大に表現された背景、そこに登場するのは感情を出さずに淡々と話すストップモーションの犬たち。
情報量も多ければ話のテンポも速いので、度々置いていかれそうになりました。

犬と人間はもちろんコミュニケーションが出来ないのですが、今作で、犬は英語で日本語字幕、人間は日本語で字幕なしという演出になっています。
英語と日本語字幕、そして聞こえてくる日本語、と日本人の私にはいささか騒がしすぎる演出で、楽しいけど忙しかったです。

寿司のそんなとこにわさび乗せないよ!とか魚はそんな風に捌かないよ!とか、いくらでも指摘できるところはありますが、
そんな部分もひっくるめて、「海外は日本のことこう思ってんだぜ」っていう皮肉なんでしょうか。

ペット放棄や人種差別など様々な社会問題を取り扱っているのは言わずもがなですが、そこにいたるまでのストーリーはこじつけが多く、あまり感情移入は出来ませんでした。
敢えてあまり触れませんが、まあそういうところを楽しむ映画ではないですしね!!
アート万歳世界観万歳!!

今作は声優がとっても豪華で、日本人も多数出演(出…?)しています。
ジェフゴールドブラム、フランシスマグドーマン、ティルダスウィントンなど、すぐにわかる声が聞こえてくるとテンションがあがりますね。
スカーレットヨハンソンは犬になっても美声でした。

監督の初アニメーション作『ファンタスティックMr.Fox』にも俄然興味が湧きました。どこかで観れないかなあ、サブスクさん〜。
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