菩薩

犬ヶ島の菩薩のレビュー・感想・評価

犬ヶ島(2018年製作の映画)
3.9
ニャンとワンダフルな快作!!!ネコっと笑いワンワン泣いた!可愛すぎる!愛と毒で満ちている!最高のAtari Teenage Riot、だーーーー!!!!!

と騒ぎたい気持ちを抑えながら、ウェス・アンダーソンが日本に突きつけた現実についてしっかりと考えねばならない。日本人と犬との付き合いは縄文時代から始まるとされる、こんなのグーグル先生に聞けば2秒で出てくる事だし、同時に「犬 殺処分」で調べれば見たくも無い数字がポッと出てくる現実がある(愛猫家としては犬よりも猫の酷さに爪を立てたくなるが…)。殺処分自体は減少傾向にありながら、未だ店頭での「かわいい〜」の衝動のみでただの愛玩物として短い生涯を終える命が多くある現状、日本人の破壊し尽くされた生命に対するモラル、これを書いているこの瞬間にも1匹、2匹と小さな命が潰えて行く事実。「大人」よりも「子供」の正義感の方が強い残念な無責任国家(こんなん今テレビ見てれば毎日やってるしな)、邪魔な者を隔離・排除する事に慣れきってしまった日本人の差別体質(ハンセン病、精神疾患を想起)、そんなところにもウェス・アンダーソンはその牙を突き立てようとしたのでないか、って考え過ぎかもしれないが、この作品をまた「かわいい〜」「おしゃれ〜」「よく出来てる〜」だけで済ませてしまうのは違うと思う。愛の裏に毒を忍ばせるいつものウェス・アンダーソン節、犬も猫も人も、仲良く手を繋いで笑って過ごせる共生社会の実現に向け、飼い犬に手を噛まれる前にやるべき事は山ほどあるだろう。