ウェス・アンダーソン監督は好きな監督なのですが、ストップ・モーションアニメ映画『ファンタスティックMr.FOX』は、実写映画にはない独特のテンポがあり、集中力を要しました。
同じ手法をとったこの新作アニメ映画でも、テンポはよく似ていて、それだからこそDVDや配信を待たずに映画館で集中して観たかったのです。
ハリウッドが描く日本みたいなものは、先日観た『パシフィック・リム アップライジング』もかなりなものでしたが、このアニメも日本に憧れているだけじゃないでしょう・・・とうすーく思いました。
『パシフィック・リム』は無邪気なのですが、この映画はウェス・アンダーソン監督らしい底意地悪さが満載で、ファンにとってはそこはみどころ!な訳ですが、感動かわいい犬アニメを期待してしまうと違うかなと。
そもそもがこの映画は単館系映画の毒があり、シネコンものではないと思うのです。シネコンだから観られて私はラッキーです。
ウェス・アンダーソン監督の映画の共通点は、
・家族(または疑似家族)
・仲の悪い兄弟姉妹・家族たち
・なぜか、みんな金持ちなのになんだか不満気、笑わない
・部屋という仕切られた空間
・おそろいの服や小物
だと思います。
主人公、アタル少年は愛犬を探しに来た割には、かわいくない少年です。
犬と少年の友情物語ではあるのですが、ひねくれています。
アタル少年の隙間だらけの歯並びや笑わない目が印象的。
総じて日本人のキャラクターは無表情ですが、ウェス・アンダーソン監督の映画って不愛想、無表情ってお得意ですね。
細かい所は凝りに凝っているマニアックな映画で、いかにも黒澤映画みたいな音楽とか、クレジットタイトル全部、日本語ついてるとか、こだわりを見る映画だと思います。
私は喧嘩とかになるとわーって、もこもこの脱脂綿で混乱状態を表す所が好き。