FutosiSaito

犬ヶ島のFutosiSaitoのレビュー・感想・評価

犬ヶ島(2018年製作の映画)
4.1
 こんな変な趣味の(もちろんいい意味で)人形アニメが、商業作品として多くの人に受け入れられるようになったとは。感慨深い。
 ウェス=アンダーソン監督はまさに『天才マックスの世界』の主人公のような変な人物で、『ライフ・アクアティック』など実写でもアニメのような世界観で、ドールハウス的な「セット感」が特長だ。
 ゆえに、万人受けはしなかった。それが『グランド・ブダペスト・ホテル』あたりから可愛くておしゃれになってしまった。
 今作は、ちょっと怖くて不気味だが、それがいい。
 それでもヒットするのだから世間がようやくわかってきたのだ。
 ちょっとティム=バートン監督が人気者になったときに似ている。

 犬好き映画は、直球なら『僕のワンダフル・ライフ』になるだろう。
 だが、我らのウェス監督は一筋縄ではいかなかった。日本を題材にしたのも、怪しい日本文化が出てくるのも、わかっていながら「誤解されている」日本を描いているのだろう。
 英語にいちいちカタカナで日本語が表記されているのも面白かった。
 こういう人形アニメのような表現が日本アニメにも増えてほしい。
 まだまだセルアニメのリアリズムに囚われすぎている。
 もっと自由で、もっと変で、もっと不気味であっても良い。
 うらやましくなってきた。
 ティム=バートン監督『ナイトメア・ビフォー・クリスマス』以来の面白さと衝撃だった。