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犬ヶ島のneroのレビュー・感想・評価

犬ヶ島(2018年製作の映画)
5.0
YES、ワタクシ犬派デゴザイマス。 ← 怪しいPOP系フォントで読んでください。

【字幕版】【吹替版】【字幕版】と見て言い切れる。これは字幕で見るべき!
【吹替版】 犬たちのせりふがわかりやすいし、登場人物への感情移入もしやすいのはいいんだけど、音と意味がクリアに繋がりすぎっていうか、その分情報流入にフィルターがかからないんで、レディプレ1とは別な意味で、どうやっても脳の視野角が足りないっ!!
【字幕版】 言語(日本語+英語)が重層化した音として直接脳に届くこの感覚、たまらなくむず痒くて、かきむしりたいのに届かない隔靴掻痒感が甚だしい・・・んだけど、繰り返すと快感なんだわコレが。同時通訳による、右脳と左脳がシャッフルされるような、強制マルチリンガル感覚はワンダーエクスペリエンスだしね。ただし、字幕の位置、サイズは一考して欲しかったなあ。眼筋の疲労がひどいよ。
オープニングは圧倒的に字幕版がいい! 縦書き横書き混在で、ページ毎にフォントを変えるなんざあ視覚面も超ワンダーのドラッグ感全開! イミフの俳句といい、太鼓のドンドコといい、このテンション・テンポの心地よさはホント癖になりそう。

それでいながらお話はしっとり。排除された犬たちの健気さにホロリ、力でのリベンジじゃないところも素敵じゃないですか。設定や背景美術にも拘りまくり、わざと分かって外してるジャンクモンタージュ感が全編に充満して心地よい。また少年アタリの無表情さとランキン・こうゆうの声がマッチして、無用な感情移入を許さないアタリも大好き。 
ウェス・アンダーソンならではなんだろうなあ。全2コマ打ちパペットアニメーションの計算の行き届いた表現の豊かさ。同時期に観たピーターラビットとは真逆の表現様式でありながら、情感の豊かさでは遥かに上を行く。もうね、犬たちの涙がたまらない。

まあね、ニッポン舞台なのに日本犬種が出ないとか、松田龍平・翔太兄弟の出番がアレだけとか、若干人間が犬に対してマウントとり過ぎとか、本筋じゃないところでなら文句も出るけど、紛れもなくこれは超傑作! 21世紀の「少年と犬」映画として殿堂入り決定! 「12歳の男の子はみんな犬が好きなのよ」(by NUTMEG)名セリフです。

<追記>
あのキノコ雲にはひらがなで「ちゅどーん!」ってオノマトペ入れて欲しかったわん。

(再レビュー)