もんごりちょっぷ

犬ヶ島のもんごりちょっぷのレビュー・感想・評価

犬ヶ島(2018年製作の映画)
3.5
「尊重」リスペクト

劇中で三船敏郎の顔の小林市長が、何度も口にするこの言葉の通り、本当にリスペクトの精神が盛大に詰まった作品。

兎に角、日本愛満載の、細かい作り込みに圧倒される。
オープニングタイトルからエンディングロールまで、終始、日本リスペクトが続く。映画全編に日本語が入っているのは、明らかに「日本人観てねー!」という監督の熱い思いを感じて、こみ上げるものがある。

映画自体はストップモーションアニメ特有の、モノとしてのリアルさと、アニメ表現が入り混じった独特の映像による、非常にコミカルな絵面によって、監督の黒澤映画リスペクト+日本愛の世界が表現されていく。

日本の表現については、日本人から見ると若干不自然な部分もある。
(メガ崎・ウニ県、主人公のアタリなど、クスっとくる)
しかしながら、その不自然さがファンタジー映画として、とても良い作品の味になっていると思うし、監督のオリジナリティとして、作品を高めているように思う。また、再現されている舞台は、日本の良い面(産業発展・勤勉さなど)・悪い面(ゴミ問題・流されやすい気質など)どちらもうまく表しており、とても好感が持てた。

観た人の中では「こんなの日本じゃない!」という人がいるかもしれないが、完璧な日本が舞台な映画は、日本人が作れば良いわけで、これはウェス・アンダーソン(日本好きな40代の映画好きなオッさん)の"日本"だと割り切って楽しめば相当楽しめる。というか、めちゃくちゃ嬉しい。

物語は後半、ググッとまとめに入る感じは若干あるが、それでも序盤の設定が最後まで生きてくるので、面白い。個人的に、最後の桜のシーンは、
物語としても、四季を感じさせるシーンで、めっちゃよかった。

また、言語の扱いも非常に面白かった。冒頭の説明にあるように、登場人物はみんな母国語を話すが、物語の収束に向けて、言葉の通じない人たち(日本人・アメリカ人・犬達)が面白いように結束していく。言葉以上の思いや、気持ちがみんなを団結させて、正しい方向に走っていくのは観ていて非常に清々しかった。

『KUBO』のトラヴィス・ナイト監督の時も日本リスペクトがすごいなぁと思ったが、これまた切り口の異なる日本リスペクト映画で、レディプレイヤー1、パシフィックリムと、日本すげーという思わせる映画だった(日本すげーというか、日本人で嬉しいという感じだが)

もし可能であれば、アンサー映画を日本の監督が撮ってくれたら、嬉しく思う。

わおーん。