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犬ヶ島のTSUBASAのレビュー・感想・評価

犬ヶ島(2018年製作の映画)
3.3
【6年もかかった労作】73点
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監督:ウェス・アンダーソン
製作国:アメリカ
ジャンル:アニメ
収録時間:101分
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2018年劇場鑑賞51本目。
ウェス・アンダーソンによる日本愛に溢れたストップモーションアニメ。このストップモーションアニメ、とても見応えがあり映像的には最後まで飽きません。犬の毛の細部まで表現されていますから大したものです。カメラワークも素晴らしく、次から次へと流れ出てくる構造、そして実写ではここまでテンポよく撮れない部分(例えば手術シーンや調理シーンなどですが)が特に良かったです。ただし、物語としてはやや平凡。また、日本愛に溢れているのですが、どことなく海外から見たヘンテコ設定の日本が彷彿されたため、このスコアで落ち着きました。

近未来の日本。犬インフルエンザが蔓延したメガ崎市では、小林市長がゴミ島に犬を隔離する政策を実行していた。12歳の少年である小林アタリは愛犬を探すべく、一人で犬ヶ島に向かうのだが。。

ペットとなると筆頭に挙げられるであろう犬を人間世界から隔絶させるというやや社会的な映画。これを見て思いましたが、例えば人間が何かの伝染病にかかれば、かかった人のみが隔離されますが、犬となると違う。種族でまとめて隔離してしまうのですから恐ろしい。このあたり、人間は保守的な生き物でして、万一のことを想定して悪くいうと大雑把に物事を捉えてしまいます。全ての犬が犬インフルエンザにかかってるわけではないはずなのに、この政策はやや眉をひそめてしまうやり方です。

さて、物語の都合上犬も言葉を話せます。小林アタリと犬数匹が活躍する、まさに鬼ヶ島へ鬼退治をしにいくような構成ですが、逆にいうとストーリーは予測の範囲内。従って、今作は内容よりもその映像的な面白さに魅力があると思います。また、随時鳴り響く太鼓の音色も良いです。迫力があり日本魂を感じさせられる部分です。終盤ややくどいような気もしますが、個人的には太鼓の音色は好きなので良しとしましょう。

このアニメを完成するのに6年もかかったとのこと。あの細部までこだわったアニメのことを考えると致し方ない年数と思えます。海外の方が見たらどう思うのでしょうか?アニメ文化が発展している日本においては、アニメの評価は厳しいものがありますが今のところ概ね高評価の模様。子どもに見せるとなると微妙なラインですが興味のある方はどうぞ。