あ

犬ヶ島のあのレビュー・感想・評価

犬ヶ島(2018年製作の映画)
4.2
配給 FOXサーチライト
字幕 石田泰子

初日に観たけど会員サービスデイだったこともあってかめちゃくちゃ入ってて(しかもほぼ女性)ウェス人気だなぁとおもった

ウェスはアンソニーのハッピーモーテルだけ観てないんだけど
話としてはいままでよりすごくわかりやすい方ではないかなぁと
グランドブダペストホテルからウェス第2章って感じがする 大衆に向けて作ってる気がするけど 逆に昔のウェス作品にあった素朴さがなくなった気もする

というのも作り込みがすごすぎて
ウェスがもんのすごい気合い入れてきてるなぁというかんじがした
細かすぎて全部は見きれないし(レディプレイヤー1と同じ現象) 字幕が下の方にあるから同時には観られなくて
画でさえあんなのなのに あのうねるような言語ミックス具合が混沌としていてすごくよかった
吹替だとあの感じはわからないかもしれない
わたしたち日本人は日本語がわかるからどうしても情報が入りすぎてしまって多く感じてしまうんだろうけど 日本語がわからない人からすればそこまで支障無く見られる気がした
日本語で英語訳被せるのとかも同時通訳的にすぐさま被せてきて聞こえないので 日本人でも大丈夫だとはおもうけど
アタリのカタコト日本語とか逆によかったよ 彼だけあの犬の世界で別物という感じがするし
宇宙服に下駄とか最高
あの下駄でアトラクションの階段を登るんだよ笑

個人的にエドワード・ノートンがだいすきなので レックスがおもいっきりノートン感出して喋ってるのがすごくよかったな
アニメって声優がその人とわかるように話すか 全く気がつかなかった!っていうレベルで演じてるかのどちらかなんだけど
今回はどのキャラクターに関しても前者だったから それぞれ誰かってわかって観たほうがたのしめる気がした(ナツメグのスカヨハかすれ声とか最高だったよ、、、)

七人の侍だいすきだから 音楽まで使ってオマージュふんだんにあったのうれしかったし
たぶん黒澤っぽく撮りたいところはすべて色味も抑えてるのか あえて白黒映画みたいにしてたのがよかった
電話のシーンは天国と地獄なのかな

外国からみたニッポンみたいなのを意図的に演出してるんだろうけど 作り込みすぎてちょっとごちゃごちゃした画になってるときがあったので そこまで頑張らなくてもよいのでは、、と感じた
でもちゃんとシンメトリーとか構図は崩さず ディストピア的にしているところにもう狂気を感じる

お寿司のシーンとかすごいすきで ああウェスは全然どうでもいいのにこういう細かいことにこだわるよなぁとうれしくなった(わたしのウェスがすきな理由はそういところが大きいから
ワサビ、、

グレタ・ガーウィグの留学生とかめちゃくちゃすきだったよ これからウェスの実写映画とかでもグレタガンガン出てほしい
ウェス作品にすごい合ってる!

ウェス作品ってどれもすごくいいからたぶんそれと比較してしまうんだけど
これに関してはわたしはとてもすきです
グランドブダペストホテルよりも断然こちらのほうがすき
だけどファンタスティックMrFOXがめちやくちゃすきだからスマートさでいうとやっぱりあれとどうしても比べてしまうのよね

ウェス作品のいいところってキャラクターがひとり残らず魅力的なところなんだけど
今回も犬がどれもすごく可愛くて 観終わったあと買ってたフィギュアセットで遊んでしまった
すきな食べ物とか どんな家で育ったとか 犬にもそれぞれ細かい設定があるのがいいよね

デスプラ大先生の音楽も、日本に寄せつつデスプラらしさも残していて
和太鼓の音がいちいち決まっていて
地響きみたいなバリサクのサウンドとかとてもすき

たぶん字幕と吹替あと1回ずつくらい観に行くかもしれない

リアルでウェスの作品追っていけるってほんとに幸せなことだな
スパンは空いて構わないのでこのくらいの熱量のある作品をずっと作り続けてほしい
あ