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犬ヶ島のtagomagoのレビュー・感想・評価

犬ヶ島(2018年製作の映画)
4.0
メガ崎市と犬ヶ島ともに画面いっぱいに広がる情報量が半端ない。緻密なビジュアルと字幕に疲れました。ウェス・アンダーソン監督の偏執ぶりには驚かされる。1回見ただけではもちろん処理できないレベルです。
犬たちも人間たちもその動作がどこかぎこちなかったり喧嘩するともくもくと砂埃が立つのも爆発する場面の素っ気なさもコマ撮りが持つ可笑しみが最大限に活かされていた。反対に相撲の取り組みや寿司を握る場面などのキレの良さも持ち合わせている。作り込まれたミニチュアの世界には圧倒させられる。手術シーンの会話が無駄に笑えるなど本筋じゃないところにも力を注ぐ徹底ぶりな。

犬の表情は抑えられてると思うけど目の動きで感情を表した表現が素晴らしい。目に涙が溜まる。小林少年とスポッツとの絆やノラ犬のチーフに受け継がれる忠誠心に泣かされた。
エドワード・ノートンが声を当てたレックスが毎回多数決言うの笑った。教師に飼われていたからか賢い。気づいてないだけでまだまだ細部に面白いところがありそう。ハーヴェイ・カイテルの遠吠えにグッときた。

最後に小林社長が翻意したのは性急だと思ったし後半チーフ以外のかわいい4匹の犬たちに見せ場を作ってほしかったなと。ハッカー有能すぎ。あと良くも悪くもウェス・アンダーソンの人の良さが全面的に出たなと。焼却炉に送られた犬たちは処分されてもおかしくない展開だと思うんだがね。生き延びてるならどうやってそこを潜り抜けたかのアクションを見せてほしかったかな。そこの省略はらしいんだけど。後半はウェットな展開だけどストップモーションアニメだからこそ腑に落ちる。