たつかわ

犬ヶ島のたつかわのレビュー・感想・評価

犬ヶ島(2018年製作の映画)
3.8
世界の縮図

 前作「グランド・ブダペスト・ホテル」ではミニチュアが駆使されたが、この監督はCGを好まない。今回は1000体を超える人形を使い、15万枚近い静止画を撮影したストップモーションアニメです。

過去のウェスアンダーソン作品と比べると色調がかなり抑えめで、音楽を含めての黒澤オマージュ(白黒時代)の西部劇のような話が進んでいく。音楽に関しては笑ってしまうほどそのまま使っているのに吃驚してしまった。

お得意の横スクロールは文字情報がとても多い序盤ではもう少し抑えてほしかったが、
それ以降は魅力的な表現だった。

最初から最後まで基本的にはコミカルな作りになっていて、なおかつ日本へのリスペクトを感じられるがそれ以上に、現代の世界の縮図を現した作品だと思います。ロシアの選挙不正、銃規制デモの中心になった少女等々。

おススメです。
たつかわ

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