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犬ヶ島のliftmanのレビュー・感想・評価

犬ヶ島(2018年製作の映画)
4.2
ウエスアンダーソンなので鑑賞。
なんとなくガンバと仲間たちみたいなのを想像してましたが、ちがうかな?
みなさんのレビューではウエスアンダーソン感が薄いのかやや厳しめなのもあったりですが、僕はむっちゃよかったです、ネコ派ですが。
舞台もだけど、ストーリーも今の日本の状況に酷似と思っていたら、監督曰くトランプ政権のことらしく、今われわれが生きている社会に共通のテーマのようです。
意見を聞くポーズだけして少数派をとことん排斥するコバヤシ市長はトランプでありプーチンでありアベでありコイケなのかなと。
それでも、さらっと汚染のこと言われてるし、悪に立ち向かうのは外国人留学生だし、人々のロボット然とした生真面目さとか、トップに対してとことん何もできないとか、やっぱりコレ我が国のことですわ。
日本人の見たくない特徴をよく捉えててグサリと刺さりまくり。

相変わらずすごいのはとことんポップで隅々まで手の込んだ作り込みで、そこには間違いなく監督流の昭和以前の日本文化(というか日本映画)への愛とリスペクトが溢れていてちょっと涙がでてきそう。ジブリとも3丁目の夕日とも違う外国人目線の日本はブレードランナー以来の新鮮さだったかも。

日本でアニメならほぼでてくるパンツ見えそうな女子も、キラキラで萌えなラブストーリーも皆無なのもほっとしました。

このポップなトーンで音楽がクロサワってかなりキレてる!
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