小人プロレス

犬ヶ島の小人プロレスのネタバレレビュー・内容・結末

犬ヶ島(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ウェス・アンダーソンが「子供」しか信じていないのがよく分かる。少なくとも現実を突破するための表現(映画)には子供が子供であることの自由さ(可能性)しかないと本気で思っている。アンダーソン映画の初期は、おっさんが「大人」を受け入れずに子供のままで遊び続ける、そのある種の純粋さを肯定しているような映画ばかり撮っていたが、時代も時代だしそうも言っていられず最近はストレートに子供を中心に映画を撮っている。インドにはまっていたころの『ダージリン急行』と同じく、日本文化は映画を彩るファッション程度でしかなく、どこまでもアンダーソン映画(アメリカ映画)。もちろん権力者に対峙するマイノリティという図式はお話を進めていくための装置でしかないし、今の日本社会を映しているとか政治的にどうのこうのという指摘も的外れだと思う。養子とノラ犬、はぐれ者同士が徐々に心を通わせていくのはグッとくる。実験後に身体がボロボロになっている犬たちのくだり、残酷さと痛みを誠実に映している。