たろす

犬ヶ島のたろすのレビュー・感想・評価

犬ヶ島(2018年製作の映画)
4.8
期待を裏切らない最強ウェス世界が今回も拡がってました。
どのシーンを切り取っても絵本から出てきたみたいな独特な色彩と、絶妙にツボをつく可愛い映像。一分一秒も逃したくない。見るたびに新しい発見がありそうな作りこまれた舞台。
でもウェスが素晴らしいのは映像だけじゃない。ストーリーもいつだって最高なのだ。
映像がこんなに可愛さだけ見ると内容もポップで明るくてポジティブに思えるけど、実は社会情勢とか歴史についての暗喩を含んでいるような内容だったり、人もあっさり死んだりする(犬ヶ島は違うけどね)。そんな皮肉もありながら、ユーモアもたっぷりつめこんで思わず笑っちゃうようなシーンもたくさんあるし。
シビアな面も見せつつ、最後はやっぱり勧善懲悪なストーリーを描いてくれるのがウェスの魅力だと思ってる。ウェスのこだわりが、これでもか!!!この!この!これでもか!!と詰め込まれてるのがどの映画からもはっきりわかるし、ほんとに彼の頭の中はどうなってるの?って思っちゃうくらい、いつも宝箱みたいなワクワクする映画を撮ってくれるウェスアンダーソン様は最高です。大好きです。
犬ヶ島も見合わった瞬間から2周目を見たくなるような素敵な映画でございました。
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