タカシ

犬ヶ島のタカシのレビュー・感想・評価

犬ヶ島(2018年製作の映画)
4.1
『もう猫ヶ島でも虎ヶ島でもなんでもいいじゃん(いやよくない)』


基本的な本作品の成り立ちがよく分からないので、「なんで日本なの?」という根本的な疑問がぬぐえないのだがまあそこは横に置いといて。

これはおそらくCGアニメでならもっと簡単に作る事ができたと思われるが、やはり完成したものを観るとやはりこれ以外の手法はなかったものという気がする。

何せ犬がかわいくてかっこよくて、声が皆男前(字幕版で観た)なので、それだけで結構うっとり。
しかも監督は明らかに彼ら(+少年)を七人の侍に見立てているのが、心震える。

ただストーリーは少し平坦で、ちょっとしたロードムービーなのだが、これがもうひとつ盛り上がらない。
途中サブ主人公とも言える女の子が出るのだが、これがはっきり言ってそれほど機能してないような気がする。
クライマックスへ向かって徐々に盛り上がって行く感じはあるんだが、肝心のクライマックスで「え、それで終わり?」とビックリすることしきり。

また画面に日本文その後英文と出るのだが、この日本文のフォントがかなり小さめで判別つきにくい上割りとどんどんテロップが出るので、かなり混乱する。
オープニングの過去話、皆さん全部わかりました?

ただストップモーションアニメの良さが画面に溢れていて、もうただ観てるだけでかなりの満足感を味わえるのも真実。
日本へのリスペクトがあるだけでなくかなり綿密なリサーチがなされていると、画面からはっきり感じ取れるのがうれしい。

という訳でトータルてみるとかなり満足な一作でした。
劇場(字幕版)にて。18.06.08
2018#063
タカシ

タカシ