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犬ヶ島のbibliophageのレビュー・感想・評価

犬ヶ島(2018年製作の映画)
3.2
夜道、道路の真ん中で子猫の死骸をみつけた。野良猫。初めて見かけてから三ヶ月くらい。車に轢かれたのか?特に血が出ているわけでもなく静かに。今日、ペットの火葬場へ連れて行くくらいしかできない。この映画を見た後だっただけに、なんだか悲しい。

この映画、2つのポイントで見にくかった。ひとつはメガネを忘れて細かい字が読めないこと。チャプターの表示やところどころで、日本語と英語でテロップが出るのだが、読めない。残念。もうひとつは、小林市長やアタリくんの演説が日本語なのだが、いちいち英語の影アナのナレーションがかぶってきて、日本語がフェードアウトされてしまう。日本語吹き替え版を見ると違ったのだろうか。

犬の病気が蔓延した世界。仮想日本のような。メガ崎市の鈴木市長は犬をごみの島に隔離する。レスペクト、反対意見もちゃんと真摯に聞く、市のシステムは素敵だと思う。護衛犬のスポッツを探しに、市長の養子のアタリくんはおんぼろ飛行機を盗んで、ごみの島へ。5匹の犬と出会って、冒険を始める。何かを判断するとに、かならず多数決するって。重低音で刻む和太鼓の音、うなるような男声は心拍数を上げてくれる。

登場人物は母国語で話す。犬は英語で話す。というのがこの映画のお約束。なので、日本人っぽい人は日本語で話す。途中から犬と会話が成立しているようで不思議な感じ。
Isle of Dogs、犬が島ってタイトルが秀逸だったのか、桃太郎の鬼が島を連想されることが、功を奏しているかどうか…。結局犬側からのわかりやすい、モチベーションの開示が無いと感じた。

アニメーションは物凄い。特に、おすしを作るシーンが秀逸。物凄く手際が良い。ブレードランナー風なのか、無国籍な日本の描写がきれい。(かなり変。このまま日本だと思われないか?)
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