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犬ヶ島のroppuのレビュー・感想・評価

犬ヶ島(2018年製作の映画)
3.2
愛は伝わるし嫌いではないんだが、確かにこれは何を言っているかさっぱり。
小道具や衣装などの細部にユーモアを加えるのがウェス・アンダーソンの良さの一つであると思うし、この作品でも確かにそれらは認められる。
蚤や、逐一動く毛並み、鼻の水気などもヴィジュアル的にとても楽しく、キャラクターの動きによって働くサウンドエフェクトもとても良いんだが、明らかに期待値が高すぎた。

日本人キャラクターのいかにもな表情や台詞、犬たちのいかにもな忠実さとかわいさ、認めますが、噺がいつもより体にしみ込まれない。

何故か、日本のカルチャーを大事にするあまり、それらのたくさんのオマージュで囲んでしまったあまり、ウェス・アンダーソンの自己満(もともとそうなんだろうが)に仕上がっている気もしないではない。
こういう長いこと練り上げて作った作品あっても良いよね、的なそれに成り下がっている。

この人のこだわりはかなりフェティッシュで、こだわりも並でなく、1人の映画作家としてとても好きなんだが。

まあ絶対拒否って作品でもないんだけれど。
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