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大性豪のsomaddesignのレビュー・感想・評価

大性豪(2014年製作の映画)
4.0
見ていて自分の知能指数がグングン下がっていく気がして素晴らしい!

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作家志望のチャンは生活のため不本意ながら新聞に官能小説を書いていた。同棲中の彼女は美人な上に売れっ子作家。性欲の強い彼女を満足させることができずセックス恐怖症になってしまう。
折悪く新聞連載も打ち切りになり、収入も絶たれ暇になったチャンは仲間たちと『日本AV撮影現場見学ツアー』で一儲けを計画。無事来日を果たし、撮影現場を訪れたチャン一行だったが男優への無理難題がたたり激怒した男優に帰られてしまう。急遽代役を務めることになったチャンであったが……。

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仕事が繁忙期に入りつつある上に、映画館に行けなくてクサクサしてたので、なるべく馬鹿馬鹿しくて痛快な映画を見ようと思って鑑賞。


かつてコピー商品・粗悪品・B級品のことを総して「香港センス」と揶揄したもんだけど、映画に関しては1周まわってドリジナルな世界観を獲得し、独自の進化を遂げている気がする。さすが「少林サッカー」を生んだだけある。

日本のAVが香港男子に直撃してたのが知れて愉快なのと、日本の文化やいろんな作品が、香港センスでオマージュ捧げられてるのが素敵。
特に伝説のAV男優として加藤鷹が本人役で出演し、主人公に性の奥義を伝授する修行シーンが香港カンフー映画のそれで笑った。(飛んでるハエをツーフィンガーで捕まえ潮を吹かせて殺す、など)

かつて新宿紀伊国屋のDVDコーナーで「ツーフィンガー鷹」を見つけたて「こんなところにVシネが?まさかAVか!? 店員さんの趣味か?」と驚いたら、ユン・ピョウのカンフーアクションだった経験がある。そんな自分からすると、加藤鷹と香港映画のまさかの邂逅は大変感慨深い。

すごく馬鹿馬鹿しい映画なのに、性的消耗品としての男女逆転の物語でもあって、「騙されてAV出演」とか「出演がバレて人生が破茶滅茶になる」がそうだし、劇中劇で撮影されるAVがどれも嫌がる男性を女性が襲う設定なのも興味深い。性的商品として好き勝手に扱われる様を男性側が追体験するような。

香港や台湾では日本のようなAVは存在せず、思春期に日本のAVにお世話になる男性が多いそう。日本のAVを見て育った世代にとっては、アイドルタレント以上の思い入れがあるのかも。そのためか、香港や台湾でのセクシー女優さんのステータスが高く、空港から数人のボディガードに囲まれ、ハリウッド女優並みの待遇や取材を受けることもあるとか。

何も解決しないし、当初の主人公の目的がなんだったのか…見終わったソバから忘れてしまう。よく考えると誰も大して幸せになってない気がするけど、大団円になってしまう「香港映画マジック」を久しぶりにみた感じ。

余談)
撮影舞台裏の様子を収めた特典映像がアホっぽくて笑った。あるシーンで使われたメロンについて「ちゃんと配慮しており、食べ物を粗末に扱ってはいない」という旨のテロップがデカデカと出た。気にするトコそれなんだ😁

久しぶりすぎてレビューの書き方忘れそう💧
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