Vega

バッカス・レディのVegaのレビュー・感想・評価

バッカス・レディ(2016年製作の映画)
4.5
フィルマークスでは評価高くないが私最高値な現象がたまにあるが本作まさにそれ。

原題は「殺してくれる女」
娼婦として死ぬほど上手いっていうのと、後半のエピソードのダブルミーニングなんだね。
春を買う男たちが心底ゲスなんだけど、そういうところも仰々しく説明することなく淡々と。
フィリピンでは韓国人男性と現地の女性との間に産まれる二世をコピノと呼ぶらしく、婚外子とされるコピノが大勢いるらしい。なんてことも淡々と映す。
60代の娼婦に、義足の隣人(これユン・ゲサンね)とかトランスジェンダーの大家さんとか、混血の人たちと、マイノリティとされる人々がさりげなく支え合っているのも趣深い。
諸々社会問題が詰め込まれているのに、これまた静かに日常の風景として語られる。

さえないユン・ゲサンがたまらなく良い。
そしてやっぱり、さらりとコト済ますユン・ヨジョン先生が素晴らしい。はまり役。

重いし悲しいんだけど優しいんだよね。優しい映画でした。



見覚えのある鍾路の景色が嬉しかった。タプコル公園の隣にある郵便局では昨年とても親切にしていただいて、そんなことも懐かしく思い出した。
Vega

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