ぶみ

あなた、そこにいてくれますかのぶみのレビュー・感想・評価

4.0
君がいる未来を願った。

ギヨーム・ミュッソが上梓した同名小説を、ホン・ジヨン監督、キム・ユンソク、ピョン・ヨハン、チェ・ソジン等の共演により映像化した韓国製作のSFドラマ。
30年前に事故で亡くなった恋人にもう一度逢いたいと思っていた主人公が、願いが叶うとされた薬をもらい、1985年にタイムトラベルする姿を描く。
原作は未読。
主人公となる医師をユンソク、1985年当時の自分をヨハン、当時の恋人をソジンが演じているが、二人一役を演じたユンソクとヨハンは、本当に一人の人物かのようで違和感なし。
物語は、願いが叶うという10粒の薬を貰った主人公が、亡くなった恋人に逢いたい一心で薬を飲んだところ、30年前に飛んでしまい、当時の自分と対面するという設定であり、それ自体は比較的オーソドックスなもの。
そんな中、恋人の事故を防ぐと、未来が変わってしまい、今度は娘が消えてしまうというタイムパラドックスによる葛藤や、過去の自分が未来の自分にメッセージを伝えるために取る行動等は、これもまたタイムトラベルものの王道ではあるものの、丁寧に描かれており、好印象。
また、主人公の友人を、キム・サンホとアン・セハがこちらも二人一役で演じているが、彼が二転三転する物語の鍵を握ることになるとともに、薬の数が効いてくる脚本も秀逸。
ストレートなラブストーリーを、タイムトラベルという飛び道具による絶妙な味付けで彩った作風は好みのものであり、数多ある同系列の作品群の中でも、一度は観ておきたい良作。

思い出だけで生きられる。
ぶみ

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