フランスの作家ギヨーム・ミュッソ原作のベストセラー小説「時空を超えて」の映画化。
医師ハン・スヒョンら医療ボランティアがカンボジアの貧しい地域の人々を助けていた矢先水害でやっとの事で帰りのヘリが離陸しようとした時盲目の老人が口唇裂の赤ん坊を差し出す。
水害で暫くヘリが来られないのにハン・スヒョンは後ろ髪を引かれる思いでヘリを降り赤ん坊を治療する。
土地の人間は口唇裂の子供が生まれると捨ててしまうという。
盲目の老人はスヒョンに礼を言い「人生の終わりに叶えたい願い事はあるか」と聞く。
スヒョンは暫く考えてから「どうしてももう一度逢いたい人がいる」と遠い目をして答えた。
30年前イルカの調教をしていた恋人ヨナを事故で亡くしていた。
老人は大切そうに首に紐で下げていた小瓶をスヒョンに手渡す。
「10回願いが叶う」
半信半疑で教えられたままに小瓶に入っていた一粒を飲み横になって眠りにつくと…
なんと1985年にタイムスリップしていた！
そこで30年前の自分に出会う。
若い自分は最初は30年後の自分が会いに来たとは信じられず何度か会ううちにその目的を知る。
年齢こそ違うが2人は1人の人間なのだから同じ目的に向かってヨナのいる未来の為に動き出す。
ヨナもスアもいる未来にする事は出来るのか⁈
キム・ヨンソクが出ると知って楽しみにしていた今作。
タイムループものなんだけど韓国版だとこうなるか！
展開が変わると30年後が変わってきてその修正を何度もする所がいい。
過去の自分に会ったらダメとかドッペルゲンガー的な要素は全くなく過去の自分と協力して彼女に一目逢いたいだけだったのに次第に過去を変えて彼女を死なせない様に2人の自分が考え行動していく。
娘は彼女の子だと思っていたら違っていた！
そこが一捻りあって良い。
彼女を救っても娘が生まれる設定に持って行かなくてはならない。
未来を変えたら現在の写真が消えて行く所など分かりやすい。
彼女を死なせない様にでも娘は生まれて来なければ先の人生に意味はない。
別れてもやっぱり逢いたい気持ちとかびしびし伝わってくる。
切なかった。
相手を想って別れるって辛過ぎる。
こんな理由で別れたならずっと引きずるだろうな。
若い自分は彼女を死なせない様に別れるものの逢いたい気持ちが抑えられず逢ってしまい違う事故が起こる。
過去を変えてしまった！
そこから未来も少しずつ違う方向に動き出してしまう。
でもラストがいいね！
スヒョンの親友テホがいい。
若い時のいつもいい所でスヒョンに邪魔されて観ている私達の笑いを誘う役なのだけど後ろ髪を引かれつつ友達を優先する所が凄く良い！
おじさんになってからのテホがまたいい味出していて親友の為に一肌脱ぐ所なんか泣きました。
眠れないからって想像していなかった手段に出る辺りやるな！って感心してしまった。
お陰で理想的なラストに涙溢れました。
ヨナ役の女の子がまた綺麗で私のテンションも上がりました。（なんでなの〜？）
30年後も吉田羊似の美人でやっぱり綺麗な人だと自分の寿命を縮めてでも逢いたい気持ちよく伝わりました。
男性の方が別れた人をいつまでも引きずっているって昔何かで読んだ事があります。
私は昔に戻れたとしても別れた彼氏に逢いたいと思う人は残念ながら（？）いません。
でもやむを得ない理由で好きだったのに別れてしまったらきっとスヒョンの様に男女関係なく死ぬ前に逢いたい相手を思い浮かべるかもしれません。
ラブストーリーは苦手な私ですがなかなか大人のラブストーリーも良かった。
もっと号泣したくて観に行ったのだけど期待しすぎてしまったかな、思ったほどは泣かなかった。
「あなた、その川を渡らないで」の様な号泣も映画に亡くなった従姉妹のお姉ちゃんを重ねたからかもしれない。
でも葬儀で泣いて疲れ切った私のささくれた心にも優しい今作をお姉ちゃんが亡くなった後に観る事ができてとても良かった。
登場人物皆が優しくて相手を思いやっている。
心が温まった。
一歩踏み出せそう。
