TAK44マグナム

デッドクックのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

デッドクック(2016年製作の映画)
3.1
そのムチムチボディを味わいたい♪


高名な料理家から「新メニュー試食会」に招待された5人の男女。
しかし、彼らは「材料」として集められたのであった。
「最後の一人になるまで殺しあってください」
生き残りを賭けた恐怖のサバイバルゲームが始まった!


カニバリズム+デスゲーム。
狂ったオバハンが、とある理由から人肉食が必要で、偽の招待をしては集まった料理人たちに殺し合いをさせて、死んだ者をせっせと調理しているというホラーです。
完全にマンガ。
関よしみ先生あたりが描いててもおかしくない内容ですが、先生ならもっと巧く仕上げるんじゃないかと思うぐらい、本作は残念な部分が多すぎます。

まず、廃工場に来させるのは良いとして、そこでオバハンが強襲、工場内に監禁するわけですけれど、これがおかしい。
オバハンは普通の人ですよ。
か弱い女子ならいざ知らず、大柄な男も簡単に眠らせて、ひとりで運び込むって難しくないですか?
それも今まで何度もやってるらしいのに、全員ちゃんと餌食にしているって、どんだけプロなんだよこのオバハン。
大体さ、この時点で殺しちゃえばいいじゃない?
自分の手を汚したくないとかなんとか言ってたけど、結局は調理するから血みどろだよ?
最後の一人は自分で殺してるし。
なんでわざわざ神経ガスまで使って殺し合いさせるのか、意味がわからん。
それに、襲われて拉致られたのに、目覚めた奴らがまだ試食会だって信じてるのもバカなの?と思ってしまいました。
もっと深刻な事態だって分かりそうなもんでしょ。

あとね、この人たちみんなバカで、ステレオタイプばかりだから展開に意外性の欠片もない。
最初は協力しあうのに、すぐに仲違いはじめて、ひとりはエロにはしり、ひとりは隠された目的があり、主人公は胸元丸見えのシャツに短パンで脚だしてる女子って、よくありすぎるよ(苦笑)
こいつらが殺しあう前半は、グダグダで眠いです。

最大にバカなのは、死体を回収しにオバハンが来るんですが、それを物陰から男が覗いているんですね。
この男にはニセの誘いにのった目的があって、実はオバハンを捕まえたいわけ。
だったら千載一遇のチャンスじゃないですか。
他に誰もいないし、オバハンは死体回収に忙しくて男に気づいていない。
背後から近づいて羽交い締めにでもすればOKっていう絶対有利な状況なんです。
それなのに、何もしない。
見てるだけ。
そんなバカな!ですよ。
後になって、「あのオバハンを探さなきゃならない」って言ってたけれど、アルツハイマーか何かですか、この男は(汗)?
林先生じゃないけれど、今でしょ!なんで何もしないんだ?

つまり、何故か殺し合いをさせるのもそうなんですけど、「内容がこうなんだから、こういう展開にしないといけない」という、やってはいけない事を平然とやってるシナリオなわけです。
だからモヤモヤして釈然としない。
それでも面白く撮れていれば良いのですが、追い討ちをかけるように演出も編集もグダグダなので、もう壊滅的。

変態メガネくんの死に様をわざと見せないのは、どういった理由かは分からないものの、想像の余地を残してくれて良かったような気もしますが、電動ドリル?があるのに扉を破壊するのに使わなかったり、結局、わりと簡単に外へ出れたりと、苦笑いするしかないでしょう、これは。

それでも、そこで登場するパンツ姿のキチガイはキチガイにしか見えないので、それはまぁまぁでしたね。
街では絶対に出会いたくないビジュアル(苦笑)

更に言えば、悪いところばかりでもないというか、主人公は健康的なエロさを振りまいていて、そりゃ変態メガネくんも「どうせ死ぬなら1発やらせて♡」とトチ狂うのも分からんではないかなと理解できるムチムチで美味しそうな美脚女子で眼福でした。
もうすこし露出度がアップしたらウヒョヒョ♪だったんですけれど、現役のアイドルさんなので限界だったのでしょう。
ただ、特典インタビューで自分でも語ってましたが、滑舌が悪くて最初は何言ってるのか全然分かりませんでしたよ(汗)

それと、カニバルホラーとして唯一、狂気乱舞のラストだけは評価しないわけにはいかんでしょう。
オバハンがあんまりにもバカなものだから萎えそうにもなりましたが、肉は生で!と、お腹を壊しそうな無茶食いが素晴らしく狂っていて無視できないショックシーン!
キャッキャ、キャッキャと、とっても嬉しそうに飛び跳ねる主人公がタマランです!
ブッ壊れてるけど!

総合すると、これはデスゲーム要素を排除して再構築すれば化けるような気も少しする作品でした。
「デッドクック」とタイトルに付けながら、生でバクバク食べるのが1番みたいなラストは、ある種の皮肉なのかな?
関係ないか(苦笑)
作り手のドヤ顔が浮かぶようなマッチしない音楽を差し替えて、前半をもっとキレキレに作り直したらなぁと思うと惜しい一作。


レンタルDVD(GEO宅配)にて