えびちゃん

私たちはどこに行くの?のえびちゃんのレビュー・感想・評価

私たちはどこに行くの?(2011年製作の映画)
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レバノンの過疎村で起こるイスラム教とキリスト教の宗教対立。男たちの愚かなる諍いを、なんとしてでも止めるべく立ち上がった女たちの悲喜交々。
男たちの争いのあとさきに、女の悲しみがある。夫や子供を宗教対立の内戦で亡くし弔い残されるのはいつも女。
人を救うための宗教は、人を救ってはくれない。対立の先に和平はない。正義は親が子を思う気持ちとエロにあり。信仰よりも大義を貫き通した女性たちにこの不条理な世の中を生き抜く勇気をもらった。(『キャラメル』の時も、しなやかに生き抜くヒントをもらったんだよな…!)

ラバキー監督って、バランス感覚に優れていると思う。インド映画っぽさとシリアス/コメディをうまく調和させて。レバノンの抱える社会問題を取り上げながらも、媚びないギリギリラインのエンタメの盛り込み方が秀逸。軽やかでしなやかなご本人そのもののような作品だ。本作はなんと言ってもオチが本当に良かった…。日本未公開なんてもったいない。ずっと観たいと思っていたので叶って本当に嬉しい。
やっぱり、ナディーン・ラバキーはすごい。ド美人な上に監督作品ハズレなし。これからもバンバン映画撮ってほしい。各位早く『キャラメル』観て。
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