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十四夜の月のBaadのレビュー・感想・評価

十四夜の月(1961年製作の映画)
3.8
グル・ダットのプロデュース作だがこの映画から監督はしていない。
おそらくは独立以前の、イスラム文化の中心地ラクナウの街を舞台に、三人の若者の友情とひとりの女性の取り違えをめぐる筋のたてかたに由来する悲劇についての作品。
全体的には明るい雰囲気の娯楽作だ。

今のボリウッド映画と比べると単調ですが、最初の救いようのない取り違えから、誰も悪者にせずにラストに向かう脚本は見事。

楽曲は素敵ですが使い方が凡庸でやや間延びしています。

美術も建物のセットは時代を感じますが、衣装やアクセサリーが見事。特にヴェールなどの薄物の撮り方が綺麗です。

二人の男性の愛の対象になるワヒーダー・ラフマーンがいつもにも増して美しいのにとても冷静な演技をしているのが面白い。

イスラム教徒が主人公の時代物ということで、結婚するまで相手の顔がわからない、というのが物語の仕掛けとなっていますが、これはここまで顔が割れないのは不自然かな?

大ヒットしたと言うことですが、このレベルの映画なら毎年何本かはあるかな、という割と普通の娯楽映画でした。

最近ではイスラーム映画祭2にて上映。

YouTube公式、英語字幕にて。

(ラクナウを舞台にした恋愛劇 2020/12/18記)
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