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夜明けの祈りのkamakurahのレビュー・感想・評価

夜明けの祈り(2016年製作の映画)
3.5
評判通りの佳品。115分間、終始静謐感に満ち修道女たちの讃美歌が粛然と通底するにも関わらず、語られる史実に基づく内実は峻烈苛酷。形而上の信仰と、決して受け入れることのできない屈辱的なリアルとの隘路で、どうしても折り合えないと苦悩する修道女が余りに悲痛。その場へ危険を承知で貴ぶべき生命のために献身する崇高ながら、極めて世俗的である凛とした女医の在りようが修道女たちにとってと同様に観る者にとっても救いとなる一本。ワイダ監督の遺作「残像」とともにポーランドの近過去に重く訴えられます。

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