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夜明けの祈りのMaUのレビュー・感想・評価

夜明けの祈り(2016年製作の映画)
3.8
公開を知り、行かなくてはと突き動かされた映画。静かな冬のポーランドの風景がとても美しく、それと対照的に描かれる戦争のもたらした蛮行による事実が淡々と重ねられていく。蛮行については多くが語られず、そこにいる修道女とそれに関わることになったフランス人医師の目線と温度が守られているような描写が見ている側に色々と考える余地を与えてくれていた。突然関わることになるマチルドの勇敢さと医師としてのプライドに感動する一方、信仰を守る修道女たちの動揺や揺らぎになにが正義なのか考えさせられる。信仰は彼女たちを救えたのかわからないが、結末には希望があり、安堵の思いだった。ラスト、自らの道を選んでいく者にマチルドがかけた言葉が心に残った。その選択肢にも背中を押してあげたかった。マチルド役の女優さんがとてもいい。そして、フランス映画祭の観客賞受賞作品は期待を裏切らないな。
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